薬剤師修行ファイルNo.071105:薬物相互作用

2007年11月修行記録
★PPIの薬物相互作用について【エーザイ㈱より】
・パリエットは、他のPPI製剤であるオメプラールやタケプロンと比較して、効果が早いのが特徴である。
・ワーファリンとPPI製剤との相互作用において、オメプラールは作用増強が認められており、タケプロンも作用増強の可能性がある。パリエットは作用増強の可能性はほとんどない。その理由として、パリエットの代謝はCYP2C9をほとんど関与していないためである。

★ワルファリンの体内動態と薬物相互作用
・ワルファリンは、主として肝細胞の粗面小胞体中に存在するチトクロームP450酵素(CYP)系により酸化され不活性な水酸化化合物に代謝される。代謝パターンには人種差がある。
・ワルファリンは肝硬変患者のように肝機能が著しく低下している場合、ワルファリンの効果は増強する。
・ワルファリンの代謝に影響するCYP2C9の遺伝子多型が、明らかになっている。CYP2C9のホモ野生型とCYP2C9のヘテロ接合型ではワルファリンの投与量はかなり異なる。(ワルファリンの投与量として、ヘテロ接合型はホモ野生型の約4倍量必要
・日本人において、CYP2C9の遺伝子多型は少ないが、欧米白人はCYP2C9の遺伝子多型が多い。最近、アメリカでは遺伝子を解明した後、ワルファリンの初回投与量を設定されている。遺伝子解明の費用が約4万円必要になるため、日本で実施されるか否かは不明である。日本ではINR(1.6~2.6)値でワルファリン量を設定している。
・ワルファリンと抗炎症・痛風治療剤であるパラミジン(保険適用外)の併用により、持続した抗凝固効果を示す。最近は医療過誤になる可能性があるため、メーカーは推奨していない。
・ワルファリン製剤は、エーザイ㈱からワーファリン(0.5mg は淡黄色、1mg は白、5mg は橙色)、田辺三菱製薬からワルファリンカリウム(0.5mg は桃色、1mgは白、2mg は淡黄色)の販売名でそれぞれ上市されている。患者が淡黄色の錠剤と言われた時、ワーファリンでは0.5mgになるが、ワルファリンカリウムでは2mg になるため、色だけで「mg」数を判断するのは危険である。なお、1mg だけはその他の製薬会社からも販売されているが、すべて白で統一されている。今後は「mg」で色は統一するのが望ましい。なお、アメリカは「mg」別に色の統一がある。
・ワーファリン「1錠」と「1.5錠」を隔日投与の処方があり、偶数日を「1錠」服用し、奇数日を「1.5」錠服用するように患者に服薬指導した薬剤師がいたが、10月31日と11月1日は奇数日が2日続くため、こういう服薬指導は良くない。
・ワルファリンと納豆は禁忌であるが、納豆をすぐ止めるように指導するのは危険であり、主治医とよく相談しながら徐々に止めるように指導していく必要がある。
・ワルファリンは相互作用の多い薬剤で問題も多いが、薬学研究者には興味深い薬剤である。